ウェディングに携わっているフリーランスはなんで増えるの?
目次
ウェディングに携わっているフリーランスはなんで増えるの?
ウェディング業界のフリーランスが増えている理由はいくつかありますが、今回は3つの理由を説明します。
業界構造上利益が少なくなっていくので、社員の給料が少ない
ウェディング業界の構造は、天辺に広告媒体、次に結婚式場、プロデュース会社、その次に各提携会社、その次にフリーランスというピラミッド構造のようにお金が回っています。式場は広告媒体に掲載しなければ集客ができず、莫大な広告費を払っています。そして、各提携会社も結婚式場がなければ仕事がなくなってしまうため、安い金額で商品提供せざるを得なくなります。そうなると当然その会社に利益が残らなくなってしまうため、社員の給料も低くなります。結婚式場にしても、集客コスト以外にも教育コストや改装コスト、コミュニケーションコストがかさむため、客単価を上げなければいけなくなります。そうすると、本来の価値よりも高いものを売らなければならないため、成約率は落ちてしまいます。すると来館数を増やさなければならなくなり、広告費は増えます。この悪循環になると、社員の給料は上げようがない状態となります。給料が低い業界、例えば飲食業や美容業などは、独立して自分でチャレンジする人が多いです。自分でやったほうが、より良い商品やサービスをお客様に提供できると思うでしょうし、所得も増えると考えます。ウェディング業界も同じで、新郎新婦のやりたいことが、会社のルールでできなかったり、本来自分のやりたいこととかけ離れたことをやっている社員はたくさんいます。
他の業界からブライダル業界への参入
ヘアメイクさんやフォトグラファーは広告業界から、ビデオカメラマンはテレビ業界から、プランナーさんやMCはイベント業界からといったように、他業種からウェディング業界に参入して来ているフリーランスは年々増加しています。安定した件数があるから、無くなることのない仕事だから、土日は時間があるから、理由はそれぞれありますが、どこの業界も今は厳しいのが実状なので、この現象はしばらくは継続すると思われます。恐らくフリーランス同士の会話でも「ウェディングの仕事の良さ」は広がっていくでしょうし、他業種との掛け持ちの人も増えるでしょう。
副業の標準化と世界的なフリーランスの浸透率の高さ
先進国では副業や複業がデフォルトになりつつありますが、日本でも最近では大手企業も副業を認め始めています。また、アメリカを始め、世界的にフリーランスは激増しており、個人が活躍しやすい時代になったことも、背景の1つです。このような背景から日本でも今後フリーランスは増えていくでしょうし、抵抗感も徐々になくなっていきます。そうすると、当然ウェディング業界にも、今よりもフリーランスが増加することは容易に読み取れます。最近発表されたランサーズの統計データでも、日本の広義のフリーランスの人口は2015年で913万人だったのが2018年に1,119万人になったと出ています。22.6%増加していることとなり、労働人口全体の17%に当たるとされています。
少子高齢化、ナシ婚層の増加により、結婚式の件数が減少していく
誰でも知っていることとは思いますが、今後は結婚式の件数は減少していきます。そして、上記の理由でも分かるように、フリーランスは増えていく時代になります。つまり、今は人手不足だとしても数年で逆転する可能性が非常に高いのです。フリーランスの競争が激化すれば、企業にとっては有利となり、より安い外注費で済ませることができるため、当然ギャラが安くなります。今のギャラを維持するにしても、自分自身の価値が高くなければ難しくなります。
2026年までに婚姻組数は約4万人減少する
ブライダル総研の予測データを見ると、2026年までの8年間で婚姻組数は約4万人減少する予測が出ています。過去の予測と実績値を比較すると、ほとんど誤差はないので今回も信頼できる数字かと思います。このデータを前提に考えると毎年5000組ずつ減少していく計算になります。そして結婚式を挙げるカップルが約半分なので全国で毎年2500組が市場からいなくなる計算になります。仮に結婚式場の挙式・披露宴の年間平均組数が100組であれば毎年25個の式場がなくなるということになります。
1985年生まれ33歳、東京都練馬区出身
日給1万円以下でアルバイトのビデオカメラマンとしてブライダル業界を経験し、結婚式場の販売価格と現場に払われる金額のあまりの差に疑問を持ち、一案件15000円〜40000円の下請け・孫請けの仕事で結婚式の現場に出ながらフリーランスとして活動を開始した。
25歳の時にFirst Filmというブランドで創業し、新郎新婦が自由な選択肢の中から好きなものを適正価格で選べるようになることを目指し、インターネットで直接選ばれる仕組みを構築。
売上は順調に伸び、2年後の27歳の時に株式会社VARIEを設立。写真や企業向け映像も事業として開始し、創業以来現在まで7年連続で売上最高値を記録。
現在はもう一つの会社、株式会社FOOLを立ち上げ経営の他にも現場の撮影をしながら講師業やコンサルタントとして活動中。