フリーランスが最低限知っておくべきお金のこと
フリーランスになったら必ずお金の知識が必要になります。生活のやりくりのためのお金はもちろん、事業のためのお金の知識もないと、売上や収入をしっかりとコントロールできなくなります。ちゃんとしたベースのお金の知識があって、初めて仕事がコントロール出来るようになります。これがなければちゃんとした判断基準で仕事を引き受けることができなくなります。
銀行口座を複数用意しておく
よくプライベートの口座と事業用の口座を分けたほうがいいということを耳にすると思いますが、さらに積立口座を作らなければお金がなかなか貯まりません。月々最低1万円、できれば3万円以上は積立しておくと、少しずつでも貯金ができてきます。ある程度まとまったお金がある状態でないと次の勝負ができなくなりますし、心理的にも追い込まれて、安い仕事を請けてしまいやすくなります。広告を出すにも新しいWebサイトを作るにも、お金がなければ投資もできません。銀行でも積立のサービスはありますので、そちらを利用してもいいでしょう。
ローンで買うより融資を選ぶ
フォトグラファーやビデオグラファーはローンを組んで機材を買う人が多数いますが、それよりも銀行から借り入れをして機材費に当てたほうがいいです。銀行に対して返済実績を作ることはとても大切で、次の借り入れのときにより多くの金額を借りることができます。今は昔と比べて個人でも融資を受けやすい環境にあります。開業したばかりなら創業融資で、数年経っていても過去3年事業所得が黒字なら借り入れできる可能性は高いです。諦めずに信用金庫や地銀に足と運んでみて、一度担当者から話を聞くことをオススメします。
お金の使い方は3種類
お金の使い方は3種類あります。事業を営むために最低限必要な知識なので、ちゃんと理解しておきましょう。
消費
生活な必要なものを買うためのやむを得ない出費です。食費や光熱費、家賃、保険、医療費、通信費など、生きていくために必ずかかってくるものなので、ここを節約してしまうと、精神面でのストレスがかかってきてしまいます。しかし、交際費や通信費など、経費でも落とせてしまう部分もあり、これを経費としてみてしまうと使いすぎてしまうので要注意です。
浪費
先ほどの交際費もそうですが、事業にも生活にも本当に必要でないものを衝動的に購入してしまうと、浪費をしてしまいます。事業者としては一番避けないといけないお金の使い方です。ウェディングのフリーランスの場合、季節変動型ビジネスなので、繁忙期と閑散期で収入にもかなりの違いが出てきます。繁忙期でいつもよりも多い収入を手に入れると、ついつい気持ちが大きくなって浪費してしまう人もたくさんいます。しかし、そんなことをしていては、いつまで経ってもお金が貯まらず、将来に対する不安も募るばかりです。さらに心の余裕も失われていきますので、浪費だけは絶対に避けなければなりません。
投資
広告費やWEBサイトの構築など、リターンの得られる可能性があるものです。また、書籍やセミナー、ワークショップなど、自分の知識やスキルを高めるための自己投資も必要なことです。フリーランスはここにお金をかけなければいけません。いつまで経っても何も変わらないフリーランスは、大抵の場合はここにお金をかけていません。気をつけなければならないことは、リターンないものは投資と呼べないことです。例えばフォトグラファーやビデオグラファーであればレンズなどの機材に投資をしたがりますが、そのレンズを買ったらどれだけのリターンが得られるかを考えると、恐らくほとんど意味がないものになります。もちろん技術は大切なので機材投資も必要なのですが、優先順位を決めてリターンを得られやすいところから投資していくべきです。
毎月のキャッシュフローをちゃんと把握する
最低限、毎月の売上と支出は把握しておくべきですし、売上目標も月ごとに決めるべきです。支出も固定費がどのくらいで、余計な出費がどれだけあったか、最終的に手元にいくら残るのかは絶対意識しなければなりません。さらに言えば昨対で売上が上がったか下がったか、その理由は何かも分析したほうがいいです。PLやBSが分かるようになるとベストですが、そこまででなくとも財務はある程度わかっていないと感覚で全部決めてしまうようになります。それが癖づくと、収益が上がって来たときにも感覚で支出を決めてしまい、資金繰りが危なくなってしまいます。
定期案件と単発案件
ウェディングの場合は毎月必ず案件数が決まっている場合は稀で、特にフリーランスの場合はフリープランナーやプロデュース会社、結婚式場や同業者からの紹介、SNSからの集客、孫請けの仕事と受注経路が様々です。結婚式場と提携できれば、毎月ある程度まとまった件数の受注が予測できるので、定期案件と呼べるでしょうが、紹介などは不安定で単発案件も多いです。また、SNSやWEBサイトからの集客も、仕組みを構築してしまえば毎日のように注文が入ってきますが、最初は不安定です。単発の仕事ばかりになってしまうと、精神的にかなりストレスになりますし、毎月の売上も変動幅がかなり出てしまうので、安定とは程遠い状態になってしまいます。できる限り定期案件を意識的に増やし、毎月安定した売上になることを目指しましょう。
1985年生まれ33歳、東京都練馬区出身
日給1万円以下でアルバイトのビデオカメラマンとしてブライダル業界を経験し、結婚式場の販売価格と現場に払われる金額のあまりの差に疑問を持ち、一案件15000円〜40000円の下請け・孫請けの仕事で結婚式の現場に出ながらフリーランスとして活動を開始した。
25歳の時にFirst Filmというブランドで創業し、新郎新婦が自由な選択肢の中から好きなものを適正価格で選べるようになることを目指し、インターネットで直接選ばれる仕組みを構築。
売上は順調に伸び、2年後の27歳の時に株式会社VARIEを設立。写真や企業向け映像も事業として開始し、創業以来現在まで7年連続で売上最高値を記録。
現在はもう一つの会社、株式会社FOOLを立ち上げ経営の他にも現場の撮影をしながら講師業やコンサルタントとして活動中。