ブライダル業界のこれから先の未来はどうなるの?

目次

ブライダル業界の課題と今後について

ブライダル業界の課題は数え切れないほどあります。この課題は長年に渡りブライダル業界が解決してこなかったツケとも言えます。しかし、この数年間、業界の課題と向き合って解決しようとする企業も増えてきました。今後はこのたくさんの課題を解決するための

さて、それでは一体このブライダル業界の未来は今後どうなっていくのか?そしてこの業界の課題は一体どんなことで、どうやったら解決できるのか?この2つを今回のテーマとして考察していきたいと思います。

まずはブライダル業界の今後について

まず最初にこの業界の今後の未来について考察していきたいと思います。

少子高齢化で婚礼件数は減少していく

確かに少子高齢化の影響で婚礼件数は減少していくことは誰でもわかります。マーケットのフェーズとしても成熟を通り越して衰退へと向かっています。しかし、伸び代がないかと言えば、全くそんなことはありません。

ブライダル業界は未だにFAXでのやりとりが当たり前で、IT化が相当遅れていること、WEBに関する知識も他業界と比べると少なく、マーケティングやブランディングが不得意な企業が大半を占めることなどを考えると、まだ成長の余地がある業界でもあります。

結婚式は必ず行うものから挙げなくてもいい時代へ

昔と違い、今の時代は結婚したら結婚式を必ずしなければいけないということはありません。少子高齢化の影響で結婚するカップルは減少し、さらに結婚式を挙げなくてもいいという価値観が普通になりつつあります。それに加えて結婚式そのものに価値を感じない、または予算がないからやらないというナシ婚層の増加によって全国の婚礼件数は確実に減少していってます。

今後もこの傾向は続き、増えることはほとんどありえないでしょう。ブライダル業界に対して不信感があったり、結婚式に価値を感じないカップルには、この業界に携わっている私達自身がしっかりと価値を伝えていく努力をしていかなければなりません。

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ゲストハウスウェディングの乱立と衰退

一時期ブームとなったゲストハウスウェディングですが、今は衰退期に入ったと言えるほど、どの式場も売上や集客に苦戦をしている状態です。少し前は結婚式場を建てれば売れたという時代でしたが、今はその傾向は薄れ、より差別化された価値を生み出す必要に迫られています。

ゲストハウスは基本的には土日しか稼働していないので、価格はその分跳ね上がり、膨大な広告費も新郎新婦の料金に上乗せされています。それでは単価が上がりすぎ、新郎新婦が感じる価値と価格が釣り合わなくなるのは当然といえますし、高い金額の商品を売る側のプランナーは相当な負担となり、高いお金を払ったんだからという心理で、些細な連絡ミスや対応ミスでもクレームにつながります。

さらに品質に満足できない新郎新婦からもクレームになります。それを踏まえて今ではウェディングだけの事業からレストランやスタジオへの横展開をしていき、生涯顧客化に取り組む式場が増えてきています。施設などのハードウェアで勝負する時代は終わり、今後はビジネスモデルや「人」で差別化を考えていく時代となりました。

オリジナルウェディングやコンセプトウェディングが流行りから定着へ

ゲストハウスウェディングでもホテルウェディングでもレストランウェディングでもないカテゴリだったオリジナルウェディングやコンセプトウェディングというジャンルが少しずつ一般の消費者の方にも認知されてきました。結婚式場から決めないでフリーランスのウェディングプランナーに相談したり、プロデュース会社に相談したりするケースも増えていて、場所もホテルや式場、レストラン以外の選択肢が増えてきました。

今後のブライダルは、より新郎新婦のニーズの細分化が予想されます。ホテルやゲストハウスも従来のようにパッケージ化されたプランが売れにくくなり、より個性的な要望が増えていくので、プランナーの業務量は今までのやり方のままでは増え続けることになり、現場の負担はさらに重くなります。

新郎新婦は自分たちのことよりも来てくれたゲストや家族への感謝が主体になりつつある

昔のように派手な演出をして自分たちが目立ちたいといった願望が今のカップルには少なくなってきています。披露宴の演出プランも合理的で意味のあるものにどんどん変わってきています。こじつけのような意味ではなく、形に残るものや、ゲストの心に残るもの、来てくれた人が喜んでくれるものを重要視する傾向が強いです。

人前式や神前式が多くなってきているのも、普段から信仰しているわけじゃないから神様よりも来てくれた人たちに承認されたい、日本人として日本らしく神社で結婚式がしたいという形で、意味のある結婚式が求められてきています。

フリープランナーの増加に伴い、外注化が加速

ドレスや花、写真、ビデオなどの内製化を進める企業がある一方、ウェディングプランナーの外注化が進んでいます。フリープランナーが増えていけばプランナーは外注化して必要な時だけ手伝ってもらうということにした方が、企業としては結果的にコストを安くできます。また、ブライダル業界は比較的離職率が高いので、ウェディングプランナーが育ちにくい環境にあります。短い企業では、平均勤続年数が2年のところもあり、これでは人は育ちません。

それであれば外注化して技術が担保されたフリープランナーにお願いする方がリスクも低くなります。ただし、フリープランナー側としては多くの場合フリーランスになった理由は自分のやりたいことがあり、それを実現するためになった人なので、式場の制約の中で業務委託としてやることを望んでいない人もいます。

経験豊富で活躍できるフリープランナーは式場からの仕事に頼らず、集客も自分でできる人がほとんどなので、式場が優秀な人材を獲得できる見込みはそれほど高くはありません。この記事を読んでくれている方でフリープランナー、もしくはこれから独立してフリーランスのウェディングプランナーになろうとしている方がいればこちらの記事も参考にしてみてください。(参考記事:フリープランナーは飽和状態!?どうしたら集客できるの?

格安婚は今後も減ることはない

〇〇婚という様々な格安結婚式が新郎新婦の選択肢の一つとなっていますが、結婚適齢期前後の若者の平均所得が上がっていかないのであれば、格安婚はこのまま主流な選択肢の一つとなることは避けられません。

品質や人材レベルなど、問題点と言われているところはあるのでしょうが、問題を放置する企業は淘汰され各社の企業努力も見られることから、前述の問題点は改善していくと思われます。飲食でも美容でもそうですが、どの業界でもディスカウントのジャンルが出てくるのは当たり前のことではありますので、防ぐことも難しかったでしょうし、今後も増えていくことでしょう。

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ブライダル業界の抱える課題について

ここまでは業界の今後の流れを考察してきましたが、次は今抱えている課題を整理していきたいと思います。

従来のブライダル業界のビジネスモデルでは、もう限界に来ていること

会場を建てて、広告媒体に載せて集客をして、ハード面で差別化してプランナーのセールス力に任せて成約を勝ち取る。外注業者を仕入れ扱いにして原価としてみなし、高額なマージンを設定し、合理的になぜその上代なのかを説明できない状態で不透明な部分を隠して売る。

式場の商品にほしいものがない、もしくは価格と価値が釣り合わないので持ち込みたいという要望も拒否され、限られた選択肢からしか選べない。さらに契約前の事前説明もない。それが今の業界のイメージであり、今のビジネスモデルです。インターネットで簡単に各商品の相場が調べられる今、式場の販売価格では到底通用しないのは当たり前です。

利益を出すためにするべきことは価格を叩くことではない

ほとんどの結婚式場は、高すぎる商品やサービスが売れなくなってきている状態から抜け出すために、特典を過剰に付けたり、下請け業者の価格を叩いたり、掛け率を変えることで利益を確保しようとしています。ビジネスでは、「値下げは馬鹿でもできる」と言われているほどやってはならないことです。

安売りすれば下代を減らすか、利益を減らすしかなくなるので、同じ利益を確保するために、より件数を回さなければいけなくなります。そうなれば、提携業者や現場のプランナーの負担はさらに増えます。価値を高めて顧客にとって透明性の高い商品の売り方を考え、高収益なビジネスモデルを築き上げることが経営やビジネスの面白さ、醍醐味であるのに、誰でも簡単にできる値下げをして自ら価格競争の負のスパイラルに陥るのは賢いやり方とは言えません。

生涯顧客化を考えた戦略的な値下げでないのなら、別の方法をとるべきなのです。安くて良い物は存在しないのもビジネスの常識で、それを下請け業者に求めても成り立ちません。さらに言えば、独占禁止法や下請法に照らし合わせれば、下代叩きや協賛を求める行為は違法性が高いことも他業界では常識です。

昨今のブライダル業界は公正取引委員会が調査に乗り出すなど、違法行為をしている企業に対して積極的になってきています。根本的な解決策を、原点に戻って導き出さなければ、結婚式場に未来はありません。(参考記事:ブライダル業界に蔓延る「協賛」という名のタダ働きの実態

ブライダル業界に対する消費者の不信感

強引な成約、キャンセル料の金額と時期、品質の低さ、契約後に初期見積りから金額が跳ね上がる仕組み、持ち込み料の高さや持ち込み禁止のルールなど、合理性がないものをなくしていかなければ不信感は増していってしまいます。誰のための結婚式で主体は誰なのかを考えた上で、客観的に見て誰もが納得する仕組みに変えていくことが、今ブライダル業界に求められていることです。

契約後に変動しない見積りにすべき

見積りの話を例にとると、今のブライダル業界では初期見積りは極力安くしておいて成約になったら値上げしていくという、新郎新婦に対して不誠実な手法を用いている式場が多くみられます。

通常のビジネスでは最終見積りが出てから契約するのが当たり前で、婚礼も例外ではありません。「ブライダル業界は特殊だから」と言う人もいますが、全くそんなことはなく、他業界から学べるところはたくさんあります。例えば車を買うにしても初期見積りから大幅に値段が上がることはほとんどありませんし、最終見積りを出した後に契約するはずです。

お客様のためにと本気で思っているのであればこんな誠意のないやり方はすぐにやめるべきです。やめたら新規がとれないというのであれば、それはその式場に価値がないだけで、価格で選ばれていただけだったということです。

ボリュームディスカウントでは持ち込みの問題の根本は解決しない

よく結婚式場が持ち込みを防ぐ手法として用いるのがボリュームディスカウントです。様々な商品をパックにして割引して、持ち込みは禁止ではないけど、持ち込むと割引が適用外になってしまうというもので、法的にも全く問題がないと思われるものです。

悪質な会場ではもともとを高く設定して割引したかのように見せているところもあります。しかし、これは持ち込みを防止するための本質的な解決にはなりません。その場しのぎの回避策では、ブランドイメージは地に落ちます。なぜ新郎新婦は持ち込みたいのか、なぜ自社の商品やサービスが選ばれないのかを考えて、根本的な問題を解決すべきなのです。

人材レベルの強化もブライダル業界の課題の一つ

新規営業と成約後の新郎新婦の担当、各提携業者との連絡や納期管理など、従来のプランナーの仕事はITとAIによって効率化できる時代です。ウェディングプランナーはより高い価値を生み出せる人材にならなければなりません。今は一人ひとりが活躍できる時代だし、そうしていかなければいけない時代です。

他業界に行ったら潰しが効かないのがウェディングプランナーと言われていますが、それでは世の中に対して価値が低い人材と言われているようなものです。自分自身で価値を生み出し提案できるウェディングプランナーもたくさんいるので、より多くのプランナーがそうなれれば、結婚式の価値は上がっていきます。

プランナーの平均勤続年数が低いためにベテランが少ないということも課題

ウェディングプランナーの平均勤続年数が少ないので、ベテランが育たないという問題は昔から抱えているブライダル業界の課題です。女性の社員が多い業界なのがブライダル業界なので、寿退社などによって会社を辞める社員が多いこと、産休や育休から職場復帰につながらなかったりすることが課題の一つと言われています。

昔に比べれば今の社会は女性が活躍しやすい時代になっていて、世の中の進んでいる企業では時代にあった制度の見直しや導入が図られている昨今ではありますが、ウェディング業界の多くの企業は時代に取り残されています。

根本的に考え方や価値観を変えていかなければいけません。例えば在宅ワークができるような環境にすることや、近くの保育園との提携、子連れ出勤などです。先入観や固定概念で無理と思い込んでいる経営者が多いのですが、間違いなく実現可能なことです。

ウェディングプランナーの労働時間と給料の低さ

ウェディングプランナーは何よりもやりがいのある仕事ですが、給料は低く労働時間も長いので長続きしない職種の一つと言われています。実際休みの日でも仕事をしている人は多いです。給料が低い原因として、当然ながら利益が低いこと、労働者一人あたりの付加価値が低いビジネスモデルになっていることが挙げられます。

競争が激しくなり、顧客の取り合いが生まれている状況で、価格競争になれば給料は上がりません。また、ウェディングというイメージはまだまだ憧れの対象であり、就職希望者が多いことも原因の一つでした。(今は売り手市場になっているためブライダル業界も人材の獲得は難しくなってきています。)

ブライダル業界の課題をまとめると大きく分けて11個

これまで書いたことも含めてブライダル業界の課題を思いつく限りまとめると11個になります。もちろんこれが全てではないですが、これだけを変えていくのも相当な時間が必要になります。

しかし、時代の流れに逆らうことはできないので、変わらないところは淘汰されていくだけになりますし、今の時点でこの課題をクリアできているすごい企業もたくさんあります。

1 古いビジネスモデルからの脱却
2 下請法に違反することを知らない法的リテラシーの低さ
3 強引な成約、契約後の見積りアップ、キャンセル料などが原因の消費者からの不信感
4 事前説明なしで契約後に持ち込み禁止や持ち込み料の説明をすることや合理的な理由のないルール
5 高額な広告費を支払い続けなければ集客できないマーケティングの知識の不足
6 現場のプランナーが消費者に価格の高さの理由が説明できない状態
7 ITの知識不足による生産効率の悪さ
8 人材の定着化と育成
9 価格競争からの脱却
10 経営陣の老朽化による結婚適齢期のカップルの価値観や時代とのギャップ
11 参入障壁を作れていないこと

まだまだあるとは思いますが、この11個の項目を解決することができるだけでも大きく成長することは間違いありません。

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今後、結婚式場が取り組んでいくべきこと

結婚式場が取り組むべきことは、利益を確保するために顧客をそれらしい理由をつけて言いくるめることではなく、新郎新婦側からみて納得できない仕組み自体を変えることです。前時代的な強引なセールス、価値が不透明な各商品価格、事前説明の不足、変えるべきところはたくさんあります。

広告媒体などに依存せずとも集客を出来るようにすること。顧客を来館前にファンにして、どんなプランナーが対応しても高い成約率になるようにすること。業者から顧客紹介料としてキックバックをもらい客単価に乗せないこと。業務効率を徹底させ、ITやAIを積極的に導入すること。各会場が「価格ではなく強みで売る」ようにすること。これだけでも実行できれば業界は変わりますし、出来ない企業は消えていきます。今回は8つのことに触れていきたいと思います。

広告媒体に依存せずに集客できるようにして、差別化要素を強めること

これは簡単なことです。今はオウンドメディアやSNSを使ったマーケティングはいくらでもありますので、勉強する意欲さえあれば問題なくできることだと思います。自社オリジナルの情報を発信してファンを獲得すること、ブログも日記ではなく、SEOを意識した書き方にすることなど、今では当たり前になっていることばかりです。

しっかりと実践できれば簡単に集客できます。もちろんいくらアクセスが集まっても、「ニーズがあり独自性を持った商品やサービス」でなければ売れません。ビジネスでは当たり前のことですが、根本的に自社の強みや魅力を見直して、商品・サービスの内容を差別化しなければいけません。

来館前にファンにして、誰が対応しても高い成約率になるようにすること

WEBサイト郡を構築してコンテンツを回遊している間にその会場やプランナーのファンになる、その上で来館してもらえば、成約率は劇的に変わりますし、新人からベテランまで、誰が対応しようが高い成約率になります。

安売りでの競争ではなく、良い商品やサービスを適正な価格で売るという思考が大切です。如何に付加価値を上げて価格よりも価値が高い状態にするかが重要で、その価値をWEBで最大限活用して伝えることを実行するべきです。今後はこのようにWEBを使いこなせるところが生き残るでしょう。

特に、WEB集客において重要なカギを握るのは、掲載する写真や映像です。現在は外国人のモデルを使った現実離れした写真や映像を使用している式場も多いですが、実際の新郎新婦のものを使用したほうがリアリティがあり、反応率が高い傾向があります。良いコンテンツを可能な限り増やしてどんどん発信していくことが大切です。

しかし、そのためにはハイクオリティの写真・映像業者と提携する必要があります。ハイクオリティの業者はほとんどが高価格で、新郎新婦に売りやすい価格とはとても言い難いというのが正直なところでしょう。

そのためにはどうしたらよいか、次の項目で説明します。

写真や映像商品は極力マージンを乗せず、業者からもらうようにする

先に説明した通り、良い写真・映像をWEBに使用するためには、ハイクオリティの写真・映像業者と提携する必要がありますが、その価格がネックになりやすいです。

その価格にマージンまで乗せていたら、とてもではありませんが新郎新婦は買ってくれません。

そこで、マージンは乗せずに業者から10%程度の紹介料をもらうようにすることが最善の策です。これにより、新郎新婦に適正な価格で写真・映像を販売することができる上に、ハイクオリティのサンプルでWEBが充実し、集客につながるのです。

写真や映像単体の利益だけを見ると下がってしまうようにも見えますが、集客力とブランド力は格段に上がります。目先の利益ではなく、全体の利益を見る力が必要です。

無駄な人件費をかけずにITやAIを積極的に導入する

他業界からすれば、あり得ないくらいITリテラシーが低いのがブライダル業界です。なぜか未だにFAXを使う文化が主流になっているという非効率の塊みたいな業界なのですが、その分効率化出来るところがたくさんあります。プランナーの業務が多岐にわたるのも、経営者や支配人、プランナーがITに関する知識がないからです。現場のウェディングプランナーにITリテラシーを求めるのは酷なのですが、少なくとも経営者や支配人のようなマネージメントする立場の人が分からないのは致命的です。

役所のように紙媒体に手書きしていくことが未だに続いている業界です。クラウドでの共有システムやアプリケーションを使用すれば、業者への発注や確認にいちいちコミュニケーションコストを使う必要がないし、ipadを新郎新婦に渡して必要なものを記入してもらい全ての情報が提携業者に行き渡るようにすればかなり効率化されるのです。もしくはチームチャット機能を持ったアプリを利用して、プロジェクトごと(両家ごと)にスレッドを分けて管理することもできます。

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本当に内製化しなければならないものはマーケティングの部門

ブライダル業界の大手企業では、ドレス事業を始め、ヘアメイク、ビデオ、写真、花などあらゆるものが内製化されてきています。しかし、未だに広告媒体の依存からは抜け出せません。膨大な広告費をかけているのに、効果は微妙です。

ROI(投資に対するリターン)が適正であればまだ良いのですが、金額と効果が不釣り合いな式場が多く、ただ無くすと怖いからということだけで、掲載をやめないところもあるくらいです。同じ予算をかけるなら、明らかに広告よりも有効な手段がたくさんあります。

しかし、それをしている式場は本当に一部だけで、ほとんどは悪循環から抜け出せずに徐々に萎んでしまっている状況です。莫大な広告費が一番無駄なコストです。マーケティングノウハウが自社で育成されていないのであれば、本来は真っ先に取り組むべきです。

ブライダル業界は装置産業からの脱却が急務

ハード面に頼ったビジネスモデルは今の時代にあったものではありません。豪華な披露宴会場や派手な演出が求められている時代はとうの昔に終わっています。消費者のリテラシーが上がり、古い体質は嫌がられ、細かいサービスや人の信用、納得できる価格感など、もっとソフト面の方が求められています。

どんな建物で結婚式を挙げるかよりも、誰に任せられるかの方が重要なこととなりました。企業よりも個人の時代になりつつある今、「個」にフォーカスした要素をどんどん取り入れなければ、時代に取り残されていきます。

会場のトップとなる人材の育成も重要

企業によって支配人や総支配人など、役職名は様々ですが、一つの会場のトップとなる人材のレベルも底上げが必要です。マネージメント能力だけでなく、財務や法務、マーケティング、ブランディングに対する知識がなければ、仕入れを安くして利益を出すこと以外できない人材となってしまいます。

これからの時代は総合能力での勝負となりますので、より優秀な人材に育てる必要が出てきます。一つの会場を経営できるレベルの能力がなければ競争激化していくブライダル業界で生き残るのは難しくなっていきます。

ご祝儀を前提とした価格設定の改善

ブライダル業界では、ご祝儀を前提として価格を設定している部分があるから今までのやり方でも何とかやってこられたのですが、これから先の未来は変わってきます。

会費制の結婚式に代表されるように、より合理的な考えに世の中が変わっていくので、遠くない将来ご祝儀という考え方が古臭い考えになっていくでしょう。そうなれば、いよいよ商品価値で勝負しなければならない時代になります。

フリーランスの集まり

ブライダル業界はフリーランスが活躍する時代へ

世界的にも国内でもフリーランスは増加していく流れになっています。日本でもフリーランスの経済規模は20兆円を超え、今後も広がっていくことがほとんど確定しています。他業界と比べてフリーランス化の流れが早まっているのがブライダル業界です。

フォトグラファー、ビデオグラファー、ヘアメイク、司会、プランナー、フローリスト、着付け師、キャプテン、デザイナーなどあらゆる業種が技術職といえるもので、技術があればフリーランスでも十分にやっていけます。

また、ほとんどの業種が他の業界にも需要がある職種のため、ブライダル以外でも活躍できるという条件も整っています。今後はますますフリーランス化は加速していくと予想されます。

2019年は新郎新婦とフリーランスをマッチングさせるサイトが複数登場する

2019年はマッチングサイトの競争が激しくなってきます。持ち込みを前提として、無駄なマージンを抜かれないようにするために、より良い商品やサービスを適正な価格で手に入れたいというニーズは強まっていきます。

結婚式場も持ち込み禁止を強めていくことと思いますが、口コミや評判に関わり、満足度の低下や不信感につながるため、最終的にはユーザーのニーズを優先せざるを得なくなります。そうなればネット上でのフリーランスの競争はさらに激化して新郎新婦にとっては品質も上がり選択肢も増える結果となります。

フリーランスに好かれる結婚式場は認知度が大幅に拡大する

InstagramやFacebookを始めとしたSNSで、数万人のフォロワーを獲得しているフリーランスは大勢います。毎回持ち込みで入ってくるフリーランスや業者が宣伝や口コミを広げてくれるので、式場は認知度の拡大が無料でできることになります。

持ち込みのフリーランスに対して未だにSNSにアップしてはいけないという誓約書を書かせている式場もありますが、そんなことをしていては逆効果になってしまいます。実際リテラシーの高いユーザーはちゃんと細かい口コミや認知度、その式場の体質まで自分で調べてから選ぶため、そういった式場を選ばなくなってきているように感じます。

ネットリテラシーの高いフリーランスが有利になっていく

WEBの知識とマーケティングの知識があればフリーランスでも集客は簡単にできます。新郎新婦のニーズが細分化していくと企業では全てのニーズには対応できなくなります。新郎新婦の様々な細かいニーズに対応できるのは各々のフリーランスになります。

もちろん競争なので生き残れるフリーランスはごく一部ですが、それでも相当な影響力を持つフリーランスがかなりの数現れてきます。ブライダル業界全体も無視できない規模になっていくのは間違いないでしょう。

ブライダル業界の衰退は避けられないが、客単価は変わらずに価値を上げる方向に進む

なぜ結婚式の費用は高いのか、それは広告媒体頼みの集客方法と、効果の薄い改装工事、業務効率の悪さによる人件費など、ITや集客のやり方が分からないがために、無駄なコストを発生させていることが主な理由です。もちろん立地や建物によっては膨大な賃料などもかかってきます。

ただ、多くの原因は企業努力の不足です。勉強しない業界は新規参入してきた企業にポジションをどんどん奪われていきます。このようなことから今後は多くの企業が無駄なコストを削減して効率の良いビジネスモデルに改善していくと思われます。こうした状況を踏まえると、ブライダル業界全体では、今後は単価は変わらずに、付加価値を上げて価格に合った商品やサービスに改善していくでしょう。

今後のブライダル業界について

改めてになりますが、今後ブライダル業界の衰退は避けては通れないものになります。少子高齢化の影響や業界に対する不信感、結婚式そのものに価値を感じなくなったカップルなど理由は一つではなく複合的なものになりますが、ブライダル業界が飛躍的に伸びるという可能性はほとんどありません。しかし、もっと結婚式の価値をちゃんと伝える努力をしていくことで、ナシ婚層を減少させていくことは可能です。

また、日本の結婚式というブランド価値を高めて海外に伝えていけば、まだまだインバウンドも狙えるでしょう。そのためにも、新郎新婦が理解し難い仕組みをやめて、透明性が高くて納得感のある業界に変えていかなくてはなりません。

投稿者プロフィール

Kawakubo Masataka
Kawakubo Masataka
1985年生まれ33歳、東京都練馬区出身
日給1万円以下でアルバイトのビデオカメラマンとしてブライダル業界を経験し、結婚式場の販売価格と現場に払われる金額のあまりの差に疑問を持ち、一案件15000円〜40000円の下請け・孫請けの仕事で結婚式の現場に出ながらフリーランスとして活動を開始した。

25歳の時にFirst Filmというブランドで創業し、新郎新婦が自由な選択肢の中から好きなものを適正価格で選べるようになることを目指し、インターネットで直接選ばれる仕組みを構築。

売上は順調に伸び、2年後の27歳の時に株式会社VARIEを設立。写真や企業向け映像も事業として開始し、創業以来現在まで7年連続で売上最高値を記録。

現在は経営の他にも現場の撮影をしながら講師業やコンサルタントとして活動中。

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