結婚式場に対する持ち込み問題。持ち込みってどこがダメなの?

フリーランスが自分で集客して、お客様に直接選ばれるようになった場合に必ず行き当たる壁となるのが持ち込み問題です。大手の式場のほとんどは、持ち込みに対して何かしらの規制や、持ち込み料という形をとっています。新郎新婦もフリーランスも到底納得できないことではありますが、法的に問題のある可能性は低いでしょうし、式場側にもしっかりとした理由があります。

そもそもなんで持ち込み規制をかけるのか

結婚式場側が持ち込みをよく思わない理由の1つは、当然利益にならないという事情があります。大手のほとんどは高額なマージンを乗せて商品を売っているため、持ち込まれればその分の利益は減ってしまいますし、提携業者にも仕事が振れなくなります。それ以外にも、当日の進行を円滑に進めるために、チームの連携が不可欠なのが結婚式です。どこの誰かも分からないフリーランスが来て、進行を無視した仕事をして結婚式に影響を及ぼす例は確かに少なくないのです。また、持ち込みで来たフリーランスがその式場の写真をSNSなどにアップすれば、この式場は持ち込みOKの式場という印象を新郎新婦に与えてしまうことになり、今後持ち込みが増える可能性があるので、式場としても前例を作りたくないという意向もあるでしょう。持ち込みで来たフリーランスであろうと、ゲストは式場のスタッフとしてみるので、身だしなみやマナーや態度が悪い人に来てほしくないでしょうし、実際に素行が悪いフリーランスも一定数いるのも事実です。

持ち込み規制をかける結婚式場側の意見をまとめる

持ち込み規制自体が法的に問題がある可能性はそれほど高くありませんが、納得できない新郎新婦や事業者が少なからずいるのも確かです。しかし、ビジネスをしている結婚式場側にも事情があります。

料理や生花に関して

まず料飲に関して、例えば食材を持ち込みたいという要望があった場合は、会場側としては衛生面の責任が持てません。ウェディングケーキなどを持ち込みたいという要望も同じです。また生花なども同様の理由で持ち込みができません。

写真撮影や映像撮影に関して

フォトグラファーやビデオグラファーの持ち込み規制に関しては、当日の結婚式の進行を円滑に進めるためという理由や、結婚式はチームなので提携している業者のカメラマンの方がベストなアングルが分かるし、スタッフ同士の連携もとれるけど、持ち込まれると責任を持てないので持ち込みを規制している会場が多いです。

ドレスなどの衣装に関して

ウェディングドレスの保管料という名目で持ち込み料をとっている場合もありますし、持ち込みをすると割引プランが適応されなくなるという形で持ち込みを防いでいる会場もあります。

新郎新婦のための規制の場合もありますが、残念ながら多くは事業者側が利益を守るためにあります。本来は新郎新婦の要望も叶えつつ、利益を出す仕組みを考えるべきなのですが。

なぜ持ち込み規制が問題なのか

冒頭でも述べたように、持ち込み規制そのものに違法性があるかと言うと、その可能性は低いというのが、専門家の見解です。ではなぜ持ち込み規制が問題なのかというと、理由は3つあります。

1 一部の結婚式場が事前説明を徹底していないから

契約前の段階からしっかりと説明していれば、問題になることはほとんどありません。価格や商品を事前に見せているわけではないので、契約後にサンプルや商品を見て、価値と価格が釣り合っていないと感じても、その式場の商品しか選べないというのは、一般的な感覚では納得いかないでしょう。こちらは新郎新婦にとって不利益になり得る事実を告知していないという消費者契約法の「不利益事実の不告知」にあたる可能性が高いので、契約を取り消せる確率が高いという意見もあります。

2 式場の商品の価格と価値が不釣合いだから

先ほど述べたように、持ち込みに規制があっても、新郎新婦が式場の商品に値段相応の価値を感じれば、そもそも持ち込みたいとは思わないです。マージンが乗せてある商品の価値が価格と比べて優れているかどうかが満たされていない場合は、当然持ち込みという選択肢も考えると思います。マージン自体は顧客紹介料やコミュニケーションコストとして当然ではありますが、なぜその金額なのかという乗せた分の金額の合理的な説明ができない式場があるのも事実です。

3 持ち込み規制に関する説明に合理性が不足しているから

「ルールなので」とか「弊社の決まりなので」では当然新郎新婦は納得しません。なぜ持ち込み料が必要なのか、なぜ持ち込みが禁止なのかなど、腑に落ちる説明をする義務は規制をする側にあります。そしてそれは、ちゃんと考えれば全く問題なくできることです。小手先のテクニックやトークで丸め込もうとするから納得できない新郎新婦が増えるのです。新郎新婦からすれば、そもそもドレスを持ち込めない意味がわからない、着るものなんて自由でしょ?ということですし、会場使用料を払っているのにカメラマンが持ち込めない、もしくは撮れる場所に制限(聖壇の上にのることは禁止など)があるのも謎です。あなたの式場の商品の質が低いから他のところにしようとしてるのに持ち込み料をとるってどういうこと?となるわけです。

今後の持ち込み問題はどうなるの?

持ち込み規制については、上記の理由を解決する道をたどると予想します。つまり、持ち込み規制に関する合理的な説明を事前にして、新郎新婦に理解してもらうようになるという道です。また、式場の商品力を強化するために、提携業者に商品強化の要請をしたり、お客様に対して選択肢を増やすために、タイプの異なる業者を競合として入れていくことが予想されます。大手を中心に内製化の流れも始まっていますので、そもそも提携業者を持たない式場も増えていくでしょう。その場合は、自社で商品力をある程度コントロールできるようになり、新商品も開発しやすくなるので、外部業者に依頼するよりもお客様の要望に答えやすくなります。しかし、人件費が余計にかかる可能性も増えるため、バランスをどのようにとっていくかが課題となります。さらに内製化の場合はほとんどの式場が持ち込み禁止のルールを徹底することになるので、根本的な問題解決になるかどうかは疑問です。持ち込む側も、持ち込まれる側も、もっとリテラシーを高めて、新郎新婦のためになる仕組みを整えていかなければいけないのですが、この問題について真剣に考えている企業はまだまだ少ないです。

投稿者プロフィール

Kawakubo Masataka
Kawakubo Masataka
1985年生まれ33歳、東京都練馬区出身
日給1万円以下でアルバイトのビデオカメラマンとしてブライダル業界を経験し、結婚式場の販売価格と現場に払われる金額のあまりの差に疑問を持ち、一案件15000円〜40000円の下請け・孫請けの仕事で結婚式の現場に出ながらフリーランスとして活動を開始した。

25歳の時にFirst Filmというブランドで創業し、新郎新婦が自由な選択肢の中から好きなものを適正価格で選べるようになることを目指し、インターネットで直接選ばれる仕組みを構築。

売上は順調に伸び、2年後の27歳の時に株式会社VARIEを設立。写真や企業向け映像も事業として開始し、創業以来現在まで7年連続で売上最高値を記録。

現在は経営の他にも現場の撮影をしながら講師業やコンサルタントとして活動中。

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