ウェディング業界で企業よりもフリーランスの方が有利なポイントはどこ?
差別化を図る上でも必要なことは、大手がどういった戦略で差別化しているか、中小零細企業がどのような方法で差別化しているか、それぞれのやり方を知ることが大切です。その上で、他のフリーランスとは違うポジションが取れて、且つニーズがあればかなりの確率で独自性を築くことができます。一般的な戦略は次の通りです。
大手企業の戦略
これは、当然薄利多売形式にしているところが大多数です。分業化・効率化・大量生産ができる体制にあるということは、相当な優位性があります。また、資本力があるので協賛金や保証金、設備投資を式場に提供することで小さい企業やフリーランスの参入を防いでいます。
中小企業の戦略
こちらは弱者の戦略で、市場を絞り、複数の小さな一番になることを繰り返して規模を広げていきます。例えばBtoCの市場や、地方の市場です。大手と違い体力はありませんが、品質が維持しやすく、個々のクライアントにあった提案がしやすいです。リスクも小さく、一気に大赤字になることも稀です。
フリーランスの戦略
現状はほとんどのフリーランスはこれといった差別化ができていない状態で、独自のポジションを築いている人も少ないです。そのため、比較的穴も多く、気づいた人、一番最初に行動した人が勝ちやすい状態になっています。では、フリーランスはどのような方法で差別化を図るべきなのか。まずは大手・中小企業と比べてフリーランスが秀でている部分を5つにまとめます。
クオリティ
圧倒的にフリーランスの方が有利なポイントです。高い品質の商品・サービスを組織的に作り出すのは至難の業で、それを維持するのもかなり厳しいです。実際ほとんどの企業は拡大とともに品質は落ちていきます。しかし、個人であれば努力が品質に直結しますので、企業よりも良い物を作ることは比較的簡単にできます。
カスタマイズ
新郎新婦に合わせた専用商品・サービスができるのもフリーランスの強みです。今のウェディング業界は、まだまだパッケージ化したものが主流です。個々にカスタマイズされた結婚式の提供はほとんどできていません。お客様の要望に合わせたカスタマイズサービスやコンセプトに合わせたやり方をするには、フリーランスの方が楽です。
ニッチ
企業が狙っても採算が合わないニッチなマーケットにポジションをとることも、フリーランスにしかできません。例えばカメラ好きの新郎新婦専用サイトや、アニメ好きの新郎新婦専用サイトを作って集客しても、売上の上限は通常よりも低くなります。企業が狙いにくいところです。しかし、特に拡大を望んでいないフリーランスなら可能で、年商1000万円くらいであれば問題なく達成できると思います。
セルフブランディング
自分のキャラクターや実績・経歴、容姿や特徴で勝負できるのもフリーランスの強みです。企業はリスクとの兼ね合いで制限せざるを得ない部分です。例えばウェブサイト上にスタッフ紹介を作るにしても、離職リスクが伴ってくるし、社員にセルフブランディングをしてもらうとなると属人化して、その社員以外ができないものになってしまいます。
プライス
あまりオススメではありませんが、企業よりも個人の方が価格を安く抑えられます。企業が維持継続するためにはフリーランスよりもお金がかかります。販管費に税金、借り入れがあれば返済などがあるためです。しかし、フリーランスは粗利益はほぼ自分のものにできますので、安くても問題なく生計が立てられます。ただ、一度安売りをしてしまうと、なかなか値上げをする勇気が出なくなりますし、結局は価格競争で大手に負けます。そして、忙しくても全然収入が上がらないスパイラルに陥りますので、繰り返しますがオススメはしません。
誰もやらないことを積極的にやる
InstagramやFacebookは無料で簡単に更新できるものです。つまり、誰でもできることです。ではブログや広告はどうでしょう。フリーランスのほとんどは忙しさや面倒くささから、ブログが継続的にできない状態だし、広告も出しません。自分のブランドサイトにも力を入れてません。ということはそちらの方に時間を割いていけば、競合だらけの分野で戦うよりも有利になります。また、本を積極的に読んだり、セミナーに行って新しいことを学んだりするといった行動をとる人も多くはありません。みんなが面倒だと思っていることを積極的にやっていくことが重要です。要するに大切なことはその他大勢に埋もれないことと、常に逆を考えることです。日本の教育では他の人と同じことをやることが美徳とされていましたが、事業者になると真逆の発想にならなければなりません。「みんながこうしてるから自分もこうやる」という思考は捨てて、「みんながこうしてる、じゃあ自分は違うことをする」という思考に切り替えていきましょう。
フリーランスが競合との違いを作るためには?
技術で明確な違いを出せればそれに越したことはないのですが、現状、圧倒的な差を生み出せるような環境がウェディングにはありません。限られた時間で、安全に回すことが第一条件として求められている以上、どの職種でも優先順位はそちらに傾いてしまいます。その中で高い技術力を発揮できる人はごく一部の人たちで、そのトップ集団に入り込み、さらに追い抜かすことは至難の業です。しかし、何かを組み合わせることで一番になることは簡単にできます。こちらの記事を参考にしてください。差別化で悩んでいるウェディングのフリーランスの解決策とは?
1985年生まれ33歳、東京都練馬区出身
日給1万円以下でアルバイトのビデオカメラマンとしてブライダル業界を経験し、結婚式場の販売価格と現場に払われる金額のあまりの差に疑問を持ち、一案件15000円〜40000円の下請け・孫請けの仕事で結婚式の現場に出ながらフリーランスとして活動を開始した。
25歳の時にFirst Filmというブランドで創業し、新郎新婦が自由な選択肢の中から好きなものを適正価格で選べるようになることを目指し、インターネットで直接選ばれる仕組みを構築。
売上は順調に伸び、2年後の27歳の時に株式会社VARIEを設立。写真や企業向け映像も事業として開始し、創業以来現在まで7年連続で売上最高値を記録。
現在はもう一つの会社、株式会社FOOLを立ち上げ経営の他にも現場の撮影をしながら講師業やコンサルタントとして活動中。