フリープランナーは飽和状態!?どうしたら集客できるの?
フリーランスのウェディングプランナーは数年前に比べれば確実に増えています。日本では、ウェディングプランナーという職業は一般に認知されているものの、まだまだ「結婚式場に勤めている人」という認識です。
ようやく最近になり、新郎新婦にもフリーランスのウェディングプランナーが認知されてきましたが、ちゃんと新郎新婦から直接選ばれていて、信頼されているプランナーはごく一部です。フリーのウェディングプランナーのほとんどは、どこかの式場の下請け仕事がメインになっていて、本来やりたいことができずにいます。
フリープランナーの多くはもともとの会場では優秀な成績を残し、能力もある人です。では、なぜこんなことが起きているのか、これからどうすればいいのか、そのあたりを解説していきます。
目次
- フリープランナーが増加している理由
- ウェディングプランナーが退職してフリープランナーになる理由
- フリープランナーは他の職種と同じように、式場からの孫請けになりつつある!?
- 今後はフリープランナーと式場のマッチングサービスが出てくる
- 『フリープランナー VS AI』という構図になる可能性
- ほとんどのフリープランナーが、人からの紹介を頼っている
- これからは自分の力で集客できなければ、価値は薄まっていく
- フリープランナーに限らず、フリーランスは信用が低い
- 新郎新婦にとってフリープランナーの魅力は?
- フリーランスのウェディングプランナーはどうしたら集客できるのか?
- これから先は競争が激化するのは避けれない、生き残るために必要なことは?
- 地方のフリープランナーはどうするべきか
- フリープランナーはWEBや集客が分からない人が多い、だからこそ今がチャンス
- 今後、フリープランナーでやりたいことができる人はごく一部
- ではどんなフリープランナーが活躍しているのか!?
フリープランナーが増加している理由
フリーランスのプランナーが増加している理由は3つあります。
- まず1つは需要の増加で、社員を抱えずにフリープランナーにプランニングを依頼する企業が増えていることです。
- そして2つ目は個人の情報発信が容易になったことで、自分で集客することがより簡単になり、活躍するフリープランナーが増えたことです。
- 3つ目は少しずつですが、新郎新婦にもフリーランスのウェディングプランナーが認知され始めたことです。
これらの理由により、会社をやめてもフリーランスで生きいくという選択ができるようになり、退職してフリープランナーになる人が増えてきました。
ウェディングプランナーが退職してフリープランナーになる理由
会社をやめる理由は、勤めている会社の企業体質とのギャップに悩まされていることと、自分の力を試したいというチャレンジ精神があることの2つが主な理由として挙げられます。
企業体質とのギャップとは、会社のルールによって、新郎新婦のやりたいこと、叶えたいことが阻害されている場合が多く、やってあげたいけど会社のルールで出来ない板挟みの状態になること。もしくは、利益優先主義の体質で、何でも利益をどうするかという数字の話になることです。
企業なので、たくさんのお客様に感謝されて利益を得るのは当然ですし、パッケージ化されたプランで効率化を図ることは間違っているわけではないのです。しかし、それも分かっているから現場のプランナーとしては複雑で、お二人の希望を叶えてあげたい思いになります。自分の力を試したいプランナーは、元々の会社での成績は優秀な人が多く、自分のプランニング力をより活かしたいと考えている人です。
フリープランナーは他の職種と同じように、式場からの孫請けになりつつある!?
フリーランスのウェディングプランナー全体の数が増えれば、式場の下請けもやっているプロデュース会社に所属するフリープランナーも増えます。式場側からすると、プランナーを社員として抱えるよりも、リスクヘッジや教育をしてくれて、さらにクオリティも担保されるプロデュース会社と提携する方が、固定費がかからないのでコストを抑えられます。
これは他の職種、写真、ビデオ、ヘアメイク、司会など、結婚式場と提携している業者から仕事をもらうという、孫請けの構図と同様です。
今はまだ、フリープランナーは式場から直接下請けの仕事として受けていられますが、このままではいずれウェディングプランナー自体が孫請けの仕事になってしまいます。原因の1つは、ウェディングプランナー自身が、元請けとなれないことにあります。つまり、いい結婚式をプランニングする力はあるのに、集客できる力がないからです。
今後はフリープランナーと式場のマッチングサービスが出てくる
先程も書いたように、結婚式場からすれば社員を抱えるよりも、外注化した方が、結果的にコストが安くなるので将来的にはプランナーはどんどんフリーになっていく可能性があります。
そして、恐らく溢れたプランナーと式場を結びつけるマッチングサービスが誕生していきます。そうすると何が起こるのか。式場からの下請けは、自由度がありません。そもそも自由度の高い結婚式をやりたいからフリーになったプランナーは多いはずなのですが、全ての業者を提携業者から選ばなければならない下請けのプランナーでは、選択肢が限られてきます。
選択肢が限られた中でのプランニングなら会場に勤めていた経験のあるプランナーなら誰でもできます。誰でもできる仕事なら価値は希薄化され、フリープランナーの増加に伴い当然単価は安くなっていきます。しかし、今の段階では会場側の単価も高いので、今のうちに下請けの仕事をやりながら集客の準備を整えるのであれば、マッチングサービスを活用するのも有効な手段の一つといえます。少なくとも孫請けよりは良い単価になるでしょう。
『フリープランナー VS AI』という構図になる可能性
ビッグデータとディープラーニングを活用すれば、人間が判断するよりも遥かに正確に、新郎新婦にマッチした結婚式を導き出すことができる時代となりました。感情的には納得できませんが、残念ながら従来の会場専属のプランナーの価値はどんどん薄れていき、ただの調整役や業者との連絡係になってしまう恐れがあります。
フリープランナーも提案力やオリジナリティの高いプランニング力、信用性というものがなければ存続は難しくなりますが、それでも結婚式場のプランナーよりは自由度が高い分有利となります。今後は「フリープランナー VS AI」という戦いになっていく可能性は非常に高いです。
ほとんどのフリープランナーが、人からの紹介を頼っている
業界関係者からの紹介や、お客様からの紹介はとても大事なことです。しかし、どの業界でも同じことが言えますが、紹介だけで成り立たせるのは至難の業で、しかもいつ紹介されるかは、タイミングの問題なので集客が自分でコントロールできません。
フリープランナーは、当然ウェブの集客力にも気づいているのですが、知らないことを0から勉強するくらいなら、もっと今できることがあるという思考になり、マーケティングを上手く取り入れられません。SNSやブログも続かない人がほとんどです。やっていても狙いが明確ではなく、正しい知識がないので、効果は薄いのです。とても勿体無いことです。
これからは自分の力で集客できなければ、価値は薄まっていく
元々ほとんどのフリープランナーは、やりたいこと、成し遂げたいことがあって独立したはずです。にも関わらず、それができない理由は上記で解説した通りですが、じゃあこれからどうすればいいのか。
それは、もっともっと明確に自分のやりたいウェディングを具体化して、未来の新郎新婦、結婚式を控えている新郎新婦にアプローチしていくことです。他のフリープランナーと自分は一体何が違うのか、どんな違いが出せるのか、お客様が自分を選ぶ理由ってなんだろう。考えなければいけないことは山ほどあります。
第一線で活躍しているプランナーにとっては当たり前のことですし、他の人にも必ず出来ることです。式場から選ぶ結婚式が常識ではなくなり、フリープランナーから選ぶ人、カメラマンから選ぶ人など、多様化の時代では選択肢がより細分化されていきます。まずはお客様が自分を選ばなければいけない理由を明確にすることが集客するための第一歩です。
フリープランナーに限らず、フリーランスは信用が低い
まだ世の中のフリーランスの信用は低いです。新郎新婦からしてもそれは同じで、もし何かあったらどこまで責任をとってくれるの?といった疑問を持ってる人も少なからずいるはずです。リスクに対してはどうしても企業のほうが強くなってしまいます。
また、社会的な信用はローンなどの自分自身の生活にも関わってきます。これに関しての詳細はこちらの記事に書いてありますので、参考にしてください。(フリーランスは信用がない状態から始まる。まずは信用を上げよう!)
新郎新婦にとってフリープランナーの魅力は?
フリープランナーの魅力は何かといえば、ほとんどの人が式場に属していないから自由なウェディングができること、マージンが発生しない、もしくは安いから無駄なコストを払わなくて済むことを説明していると思います。
お客様にとってのメリットを伝えることはとても重要なことなのですが、みんな同じことを言っていたら最後は価格競争になります。他の同業他社との違いを明確にして、それを伝えるようにしていきましょう。
フリーランスのウェディングプランナーはどうしたら集客できるのか?
フリーランスのウェディングプランナーが今後集客していくために必要なことはどのようなことなのかを考えます。詳細はこちらの記事でも紹介していますので参考にしてみてください。(ウェディング業界のフリーランスがWEB集客するためにやるべきこと)
理想は自分にしか出来ない結婚式を創り上げること
一番の理想は他の人には真似できない自分ならではの結婚式を表現することです。「新郎新婦のニーズに合わせた結婚式」ならば、恐らく他のフリープランナーにもできることでしょう。自分の得意分野は何かを徹底的に考えて、磨き上げれば自分にしか出来ないことは見つかります。
極端な例ですが、例えばハンドメイドが得意なのであれば、「全てが手作りの結婚式」、機械に強ければ全てをスマホやデータで表示する「紙を使わない結婚式」など、得意分野と組み合わせることでできる得意な結婚式の形はできます。
また、「2人の世界観やストーリーを導き出してコンセプトを設定し、それを結婚式に反映させる」といったオリジナルウェディングやコンセプトウェディングがやりたい場合においても、他の人には出来ないことを見つけ出して、強みとしていかなければ、集客は難しいです。
誰に選んでもらいたいのか、ペルソナ設定で1人にまで絞り込む
自分が創り上げる結婚式は誰にとって一番価値のあるものか、どんな人が選ぶべきなのか、性格、性別、外見、年齢、年収、経歴、行動など、出来る限り細かく設定し、たった1人になるまで絞り込みます。その後は行動分析をしていきます。
その人がどんな生活をしていて、朝起きてから寝るまでどのような行動をしているかまで徹底的に考えます。そうすれば、インターネットに触れる時間、どんな情報をいつ検索して、どのような経緯で自分のWEBサイトに辿り着くかまでが見えてきます。
差別化が出来るようになったら次はWEBサイトを作ること
自分の強みが決まったら、それを言語化してWEBサイトに反映させる必要があります。自分の想いや他のフリープランナーとの違いを説明し、ペルソナ設定した人に分かりやすい言葉で伝えるコンテンツを作ります。
フリープランナーが増えているということは競合が増えているということで、強みがなければその他大勢に埋もれてしまうのは当然です。そうなれば最後は必ず価格競争となり、安売り合戦が始まります。個人同士でそんな消耗戦をしても、誰も得しません。
WEBサイト群が完成したら次はアクセスを集める
ここまで来たらアクセスを集める作業です。SNS、広告、ブログから見込み客のアクセスを集めていくわけですが、ほとんどの人はSNSに依存してしまいます。
しかし、流行りを追いかけてしまうと終わったときに売上が連動して下がります。集客の窓口は常に複数、できるだけ均等に持っておくことが重要です。
これから先は競争が激化するのは避けれない、生き残るために必要なことは?
フリープランナーに限らず、ウェディング業界の様々な職種は競争がどんどん激化していきます。式場に勤務していた時は、接客やセールス、クロージング、マナー、顧客管理などは学んでいても、マーケティングやブランディング、財務、法務、WEBの知識、戦略立案、セルフマネジメントなどは教わらないのが普通のウェディングプランナーです。
コスト意識をそれほど持たずにウェディングプランナーをしている人が多いので、悪気なく協賛をパートナーに求めたりします。そうすると気づかぬうちに違法行為をしている状態になってしまいがちです。
独立してこれから生き残るためには、分からないことを分からないままにしないで、積極的に学ぶ姿勢、他ジャンルのことに興味を持つことなどの広い視野と計画性、そして何よりも学んだことを素直に実践する力が必要です。
地方のフリープランナーはどうするべきか
やるべきことは地方も首都圏も変わりません。ただし、地方のほうが競合が少ないことと認知度が低いことは首都圏との違いになります。それはどんな職種でも基本的には共通して言えることです。競合が少ないということは、認知されて価値が認められれば首都圏のフリープランナーよりも成功する確率は高くなります。
そのため、地方のフリープランナーがするべきことは認知度の拡大と、価値の明確化です。それと並行して競合が増えた時の差別化は考えておかないといけませんが、実績や知名度で他を圧倒できているのなら、しばらくは問題なくできると思います。
フリープランナーはWEBや集客が分からない人が多い、だからこそ今がチャンス
ウェディング業界のフリーランス全体に言えることではありますが、まだまだWEBや集客に疎い方が多いのは事実です。確かに今までやったことがないことを学んで実行していくということは大変なことですが、これからの時代を考えると、間違いなくWEBや集客ができなければ続きません。
ずっと式場や下請け業者からの業務委託でやっていきたいのであれば必要ないことかもしれませんが、自分のやりたいことを実現したいのであれば避けては通れない道となります。これから数年のうちにブライダルもWEBが当たり前になっていきます。
大手の広告媒体の信頼性は低くなっていき、個人が情報発信してブランディングしていく時代にシフトしていく中で、今のうちから実行できる人が間違いなく有利になります。
今後、フリープランナーでやりたいことができる人はごく一部
フリープランナーだけの話ではありませんが、ウェディング業界のフリーランスは売り手市場のためなのか、感覚的にはフリーターとかアルバイトに近い振る舞いの人が多いです。
時間が守れない、メールの返信が遅いなど、社会人としてできて当たり前のことができない人の比率が大きいのです。そのため、フリーランスの信用はまだまだ低い状態です。
企業もフリーランスと組んでみたら、現場以外の能力が全然足りてなかったから痛い目にあったという話はよく聞きます。今後フリープランナーにとって大切なことは自分自身のやっていることは事業であり、ビジネスであるという自覚です。
そうすれば当然マーケティングやブランディングは必須という感覚になりますし、財務や経営も学んでおくべきという結論になります。好きなことだけして生きていくためには、学ぶべきことを学ばなければいけません。
ではどんなフリープランナーが活躍しているのか!?
実際にフリープランナーから始まり、今も最前線で活躍している方々を紹介します。
『ジュリアスローズのNatsu.さん』
一人目はジュリアスローズのNatsu.さんです。18年ウェディングに携わっていて、新郎新婦の満足度がとても高く、その評判の高さから紹介や口コミだけで毎月お問い合わせが絶えない凄いプランナーさんです。ブライダル産業フェアなどのセミナーに講師として呼ばれたりしてウェディング業界内での知名度も相当高く、彼女に教わりたい後輩プランナーたちも非常に多いです。
『COCO STYLE WEDDINGの荒井さやかさん』
二人目はCOCO STYLE WEDDINGの荒井さやかさん。たくさんの新郎新婦から選ばれている理由は、その人柄の良さと能力の高さです。お客様に寄り添い、核心を引き出すヒアリング力やそれを実現するプロデュース力はさすがの一言です。ブライダル業界でも常に注目されていて、同じ職種であるプランナーの人たちからの支持もたくさんあります。2019年のブライダル産業フェアでのセミナー講師としても呼ばれていて、メディアにも多数掲載されている凄腕プランナーです。
1985年生まれ33歳、東京都練馬区出身
日給1万円以下でアルバイトのビデオカメラマンとしてブライダル業界を経験し、結婚式場の販売価格と現場に払われる金額のあまりの差に疑問を持ち、一案件15000円〜40000円の下請け・孫請けの仕事で結婚式の現場に出ながらフリーランスとして活動を開始した。
25歳の時にFirst Filmというブランドで創業し、新郎新婦が自由な選択肢の中から好きなものを適正価格で選べるようになることを目指し、インターネットで直接選ばれる仕組みを構築。
売上は順調に伸び、2年後の27歳の時に株式会社VARIEを設立。写真や企業向け映像も事業として開始し、創業以来現在まで7年連続で売上最高値を記録。
現在はもう一つの会社、株式会社FOOLを立ち上げ経営の他にも現場の撮影をしながら講師業やコンサルタントとして活動中。