目標設定やセルフマネジメントで、他のフリーランスよりも有利になる

ウェディングのフリーランスの人は、技術に長けている反面、自己管理やマーケティングなど、ビジネスをする上で必要不可欠な部分が苦手な人がいます。いくら技術があっても、誰にも知られていなければ評価されることもないですし、納期を守れなければクライアントと長い付き合いはできません。

目標などの数値設定と管理能力

目標設定や売上管理、どんなことにもビジネスには数字が重要です。アーティスト気質が高い人ほど、感覚でやってしまいがちですが、それでは上手くいきませんし、必ず非効率になっていきます。感覚と実績値ではまず間違いなくズレが出ます。数字といえば金額がメインとなりますが、それ以外にも、いつまでにフォロワーをどれだけ増やすとか、お問い合わせの数をどれだけにするといったことも含まれます。

目標設定

何となく適当にやっていても、物事はうまくいきません。明確な目標を決めて、どうすれば達成できるのかを考えることが大切で、そこには必ず数字が関わってきます。

売上の目標を決める

最終的には売上が集客の目的となるので、ここから決めていくことが必要となります。何ヶ月後にはいくらの売上にして、何件の成約に結びつける、成約数に単価をかければ売上になります。そのためにはどうすればいいのかを考えていきます。例えば全く0の状態のフリーランスが1年後に月の売上100万円を目指すとします。

売上目標÷単価＝目標成約数

売上目標が100万で単価が10万円なら月に10件の成約数、30万円なら3〜4件の成約数が目標になります。フォトグラファーやビデオグラファーの平均単価が当日撮影で10万円前後、ウェディングプランナーならプランニング料で30万円前後でしょう。

成約数÷30日＝1日の成約数

月10件の成約数なら0.3件。3日に1件成約になればいいので、そこからさらに掘り下げていきます。

お問い合わせ数÷成約数＝成約率

仮に3件のお問い合わせで1件の成約なら成約率は約30％です。つまり1日1件のお問い合わせがあれば3日に1件成約になる計算になります。

アクセス数÷お問い合わせ数＝お問い合わせ率

仮に1000アクセスで1件のお問い合わせならば、お問い合わせ率は0.1％です。1日1000アクセスあれば1日1件のお問い合わせに繋がり、3日で3件になるということです。そうなれば3日で1件の成約につながります。

つまり1日1000アクセスあれば月の売上100万円が達成できるという計算

このように逆算していけば、1日に必要なアクセス数を把握することができます。

1日1000アクセス達成するために必要なことを考える

1日1000アクセス獲得するためには、様々な方法がありますが、大別すると3つになります。

Googleなどの自然検索からのアクセス

一番王道なアクセス獲得の方法です。ユーザーが検索するであろうキーワードを予測して、それに対するブログなどのコンテンツを作ることです。例えば「結婚式　フリーウェディングプランナー　大阪」などで検索する人の悩みを考えて、解決策を記事にしておくと、上位表示されやすく、アクセスが獲得しやすくなります。そのような記事が50記事あれば、1記事に1日20アクセスしかなくとも、1日1000アクセスは達成できます。

SNSからの流入

次はInstagramやFacebook、TwitterなどのSNSからのアクセスです。毎日更新し続けて、1万フォロワー以上のアカウントになれば1日1000アクセスは全く不可能ではないです。ちなみにSNSからのアクセスはかなり興味を持っている人からのアクセスになりますので、お問い合わせ率は上がります。こちらも目標設定を明確にして行動していけば、1年後には1万フォロワー達成も可能になります。例えばInstagramのフォロワーを増やすにしても、漠然とやっていても伸びません。目標値をちゃんと決めて実行していくほうが、遥かに効果的です。今週は100フォロワー増やす、そうなると一日約14フォロワー増やさなければいけません。そのためにはどんな写真をどのくらい投稿すればいいのか、どんな内容のことを書けばいいのかを考えられるようになります。

広告からのアクセス

SNSやリスティング広告、メディア掲載など、広告には種類がたくさんあります。広告の場合は見込み客の確度が高くなるので、アクセス数は1日100アクセスでも十分お問い合わせになるでしょう。まずは1日100アクセス獲得するためにはいくら必要かを考えます。クリック課金型のものならば1クリック100円ならば1万円かかり、月に30万円の広告費が必要になります。50円なら15万円です。広告の場合は1クリックの単価をできる限り抑えることと、より確度の高い見込み客に届くようにしていくことが成功の秘訣となります。そのためには常にABテストをする必要があります。例えばAの写真とBの写真を用意して、全く同じタイミングで同じ料金広告をかけます。そして効果の高い方を選んでいきます。これを繰り返せば、一番効果的な広告の出し方が見つかります。

WEB集客する上での公式

単価✕アクセス数✕お問い合わせ率✕成約率＝売上
となります。売上を上げる場合は、単価、数量、アクセス数、お問い合わせ率、成約率のどれかを上げればいいということになります。単価を上げるには価値を上げること、数量を上げるにはアクセス数を上げること、アクセス数を上げるにはブログやSNSを育てるか広告を出すこと、お問い合わせ率や成約率を上げるには価値をしっかり伝える仕組みを整えること、これが大切です。

月々の目標管理

ほとんどのフリーランスは月の売上目標や昨年の実績などを把握していません。お金の話になると拒否反応が出る人がたまにいますが、ボランティアや趣味でやっているわけでないのなら、しっかりとビジネスとして考える必要があります。利益は自分の事業を継続させるために絶対に必要で、たくさんお客様に喜ばれれば利益は増えます。お金はやりたいこと、叶えたいことを達成するための手段の一つです。だからこそ、明確に目的を持って、それを達成するために目標管理が必要なのです。

月間の売上目標を立てる

年間の売上目標を立てている人はたくさんいますが、それを細分化して月間にしている人は少ないです。年間1200万円の売上目標なら月々の目標は100万円ということになりますが、ブライダル業界は季節変動があります。1月と2月の冬、7月と8月の夏は閑散期となりますので、売上は落ちる傾向にあります。また、5月や11月はかなり婚礼件数も増えるので、それを考慮して月間の目標を立てる必要があります。例えば5月は130万、11月は150万にして、1月や2月を60万くらいにしておくという感じです。立てた目標はなんとしても達成するという意識で立ち向かえば、年間1200万円ほどならそれほど難しくはありません。

昨年の月間売上を把握して、比較すること

目標を達成しているかということも大事ですが、1年前と比べて伸びているかも重要です。こちらも体感値になる人が多いので、正確に把握しておくことが大切です。感覚的にこのくらいとか、そういった基準で考えると実績の数字と変わってくるので、判断の元になるデータが違ってしまいます。フリーランスと言えども事業者に違いないので、このように数字の把握ができるとやりたいことをどんどん実現できる人になりやすいです。

セルフマネジメント能力（自己管理能力）を身につけよう

売上目標の管理以外にも、納期や請求書など、期日のあるものはたくさんあります。セルフマネジメントが出来ない人は技術がいくらあっても長続きはしません。

週間スケジュールをしっかりと立てる

毎日を何となく過ごしていると、納期が近づいてきて初めて仕事に取り掛かるようになってしまいます。独立したてのフリーランスはスケジュールを埋めることに意識を奪われがちですが、詰め込みすぎたスケジュールは調整の幅がなくなります。突然打ち合わせが入ったり、体調を崩した時に、調整できる余裕がなければ全ての予定が狂ってしまいます。忙しさは充実感に繋がるので、スケジュールが空いていると不安になったりしますが、ある程度余裕のある状態にしておくのがコツです。空いている時間はブログやSNSの更新、WEBコンテンツの強化に時間を使うと、少しずつでもWEB資産が増えていきます。WEB資産が増えれば1年後や2年後に営業無しでも集客できるようになります。

マネーリテラシーを身につける

お金の使い方も管理能力がないと、貯蓄も出来ずに行き詰まってしまいます。投資すべきもの、将来の投資に備えるお金、税金の分の積立、生活費などしっかりと分けて考えられるようにならないと、いつまでも気持ちに余裕が持てなくなります。お金のことに関しては、以前書いたこちらの記事も参考にしてみてください。（フリーランスが最低限知っておくべきお金のこと）

例えば30万円手元にあったときに、どのように使うかを考えられるかです。多くのフリーランスは浪費に使ってしまいますが、お金の知識がある人は投資にまわして30万円を100万円に増やすことを考えます。お金儲けは悪いことではありません。ただ、人を騙して儲けることが悪いということで、一部の結婚式場のように、なぜ高い金額かを説明できないものを売っていたり、事前説明もろくにせずに契約してから判明することが多かったりするから反発が起きるのです。

長期計画は無意味でも、1年後のことは考えるようにする

世の中の変化が激しい時は、長期計画は意味がなくなります。漠然とした目標としてならあったほうが良いですが、具体的なプランは立てようがありません。しかし、1年後であれば劇的に世の中が変化する可能性も低いので、計画は比較的立てやすくなります。一日一日を何となく過ごすよりも、目標に向かって一歩ずつ前進したほうが有意義です。今が楽しければいいという人もいますが、別に今を犠牲しなければ計画ができないわけではないので、今を楽しみながら目標に向かっていけばいいのです。

体調管理も怠らない

大切な仕事の前、例えば結婚式当日や重要な商談の前日は深酒をしない、寿司や刺し身などの生モノは食べないなど、気をつけられることはあります。冬はノロウィルスやインフルエンザの予防も必要になってきます。どうしても防げないものもあるでしょうけど、予防できるものはするべきです。体調が悪ければ思考が鈍ります。仕事にも影響が出ますし、作業も進みません。

ストレスマネジメント

ストレスの蓄積も危険です。イライラしていると、周りも不快になりますし、そういった時ほど物事は上手くいかなくなります。病気にもかかりやすくなりますし、良いことはありません。ストレスのコントロールは、物事の捉え方に関わってきます。起きた事象に対してどう思うかをコントロールできれば、ストレスの溜まりにくい体質になります。例えば相手に打ち合わせをドタキャンされたときに、ふざけるな！と思うのか、時間ができてラッキー！と思うのかでストレスに感じるかが変わります。どう捉えるかは自分で選べるものです。なるべくポジティブな思考になれるようにしておきましょう。ポジティブ思考は科学的にも生産性が30〜40％上がるという結果が出ています。

労働集約型以外の収入の確保

ウェディング業界のフリーランスは、自分自身が労働することによって対価を得るという労働集約の働き方をしています。そうすると、身体が資本になってしまい、怪我や病気になったときに収入が0になります。クライアントにも迷惑がかかり、最悪取引先も失ってしまうことになりかねません。そういったときのリスクヘッジとして、WEBを活用して広告収入やチーム化して自分の変わりに仕事をしてくれる人を見つけておくことが重要になります。

フリーランスは誰も叱ってくれない、自分自身で強い心にすることが大切

会社員と違い、フリーランスは上司の管理もないし、誰かに叱られることも滅多にありません。やるべきことをやらなくとも、怒ってくれる人がいないので、つい甘えた心になりがちです。また、目標達成に関しても、達成していないことに対して何か言ってくる人もいないので、せっかく目標設定しても達成意識が薄れてしまいがちです。結局は自分で強い心を育て上げるしか解決できる道がないのです。