ブライダル業界のフリーランスはいつまで働き続けられるのか!?

ブライダル業界のフリーランスは20代〜60代まで幅広く活躍していますが、実際いつまで働き続けることができるのかを考えてみたいと思います。また、どうしたら将来の不安なくやり続けることができるのかも合わせて考察していきます。

ブライダルだけで生きていくのであれば50代までは可能

技術職(フォトグラファー、ビデオグラファー、ヘアメイク、司会、フローリストなど)の場合は体力的に年齢を重ねるほど辛くなってきます。また、プランナーの場合は年齢を重ねるほど結婚適齢期のカップルとの価値観の相違が大きくなっていきます。今の結婚適齢期は30歳前後で、仮に晩婚化がこのまま進んでも35歳くらいが限界だと思います。新郎新婦からしたら基本的には年齢が離れている人よりも近い人に依頼したいと思うので、現実的に考えると50代までが新郎新婦から選ばれる年齢の限界かと思われます。(もちろん例外はあると思いますが。)

ただし50代までブライダルだけだとその先がない

先程記述した通り、ブライダルだけで生きていくのであれば50代までが限界だと思いますが、それでは60代以降がかなり大変になってしまいます。40代までにチームにしたり組織にしたり、別の業界で活躍できる基盤を整えたりしていき、50代までに固めることができなければその先は厳しくなります。もちろん未来のことはわかりません。技術革新やAIの進化によって時代背景が大きく変われば、今の常識が全く変わりますのでこんな考え方も古臭い考えに変わっていくと思います。

50代で孫請けの状態だと仕事が減る可能性が高い

ブライダルの場合、ほとんどのフリーランスは結婚式場から業者に仕事がいき、そこから降りてくる孫請けの仕事を業務委託という形でやっています。業者の担当者からすれば10も20も年上の人は扱いにくいし価値観も違うので、正直あまり関わりたくないのが本音でしょう。実際現場でもミスを指摘しにくい、指示しにくいといったことが起こっています。本人が気づいてない場合も多く、自分は普通にこなしているつもりでも周りは接しにくいと思っている場合が多いのです。そうなれば多少技術が劣っていても、若くて成長しやすい人に仕事が流れていき、より年齢が高い人は自然と仕事も減っていってしまいます。

何をすれば将来の不安なく生きていけるのか

ブライダル業界のフリーランスで将来に不安を抱えずに生きている人はほとんどいないと思います。婚礼件数の減少、競合の増加、年齢、収入の不安定さ、孤独感など、原因は複数あります。それでは一体何をすれば将来の不安を減らすことができるのかを考えていきます。

複数のスキルを身につける

一つのスキルを磨き上げることも重要ですが、複数のスキルを組み合わせる方が希少価値が上がりやすいです。例えばフォトグラファーの場合なら、写真の撮影以外に映像撮影、マーケティング、コピーライティング、WEB制作、トークスキルなどを勉強しておけば、Youtubeでの集客やブログからの集客もできるし、他社のリブランディングの仕事も請け負うことも可能です。

収入源を複数の取引先に分散させる

フリーランスは1社に収入を依存している人が多いのですが、それでは立場が弱くなり、そのクライアントとの交渉もできなくなります。もし取引中止になれば収入のほとんどがなくなるからです。常に複数の取引先を持つようにして、リスクの分散をしておけば仮に1社取引がなくなってもダメージは最小限で済みますので、各取引先との交渉も不利にはなりません。

自分の商品やサービスを充実させる

例えばヘアメイクやフォトグラファーがチームを組んで東京駅での前撮りをしているとしましょう。実際かなり需要があるので、それ自体は問題ないのですが、もし公的機関からの規制がかかって撮影不可となればそれに依存していたフリーランスの収入は激減してしまいます。事実現場では花嫁渋滞と呼ばれるほど、たくさんの新郎新婦が毎日のように前撮りしています。マナーの悪い業者やフリーランスが増えたり、一般の方からの苦情が増えれば規制の対象となるので、常にそのような可能性を考えて、もしなくなっても大丈夫な状態にしておくことが大切です。

集客窓口を複数持つこと

集客をInstagramに依存しているフリーランスはとても多いです。しかし、いざInstagramがユーザー離れを起こせば、必然的に集客数も減ってしまいます。ホームページをしっかりと整えて、Google検索でのアクセスや広告、他のSNSやYoutubeからの流入を意識して、集客窓口を増やしておかなければ将来的には立ち行かなくなってしまいます。

ビジネスの知識を身につけること

どんな形であれ、誰かにお金をもらって生活する以上ビジネスの知識は必須です。特にブライダルの場合は商品やサービスを提供して対価を受け取っているのは明白なので、ビジネスという枠に当てはまります。ビジネスをしているのにビジネスの知識がなければ自分自身も守れないし、お客様にも失礼になります。

正しく未来を見極めれる力を持つこと

正直未来のことなんて誰にもわかりません。5年前や10年前に今の状況が予想できなかったように、5年後や10年後の未来なんて全くわからないものです。しかし、短期であれば想定はできます。1年後〜3年後の未来を正しく見極めることができれば成功する可能性は跳ね上がります。そのためにも本業以外のこともしっかりと勉強しておくことが必要です。ブライダル業界の未来のことやフリーランスの未来については過去の記事を参考にしてください。

参考記事1:ブライダル業界のこれから先の未来はどうなるの?
参考記事2:ウェディングのフリーランスの未来って一体どうなるの?

将来に対する不安や危機感を持つことは良いこと

そもそも将来に対する不安や危機感がなければ頑張ろうとすらしないのが普通です。このままではダメだという思いが強ければ強いほど、人は行動に移すものです。腰が重たい人の共通点は「食べていけている現状に満足しているところ」にありますので、将来のことをしっかりと考えて今のままで理想の自分になれるのかどうかを考えることが重要です。そして、どうすれば理想の自分になれるのかを真剣に考えて、そのために必要なことを書き出すと、今自分が何をするべきかが見えてきます。

ブライダル業界のフリーランスの平均年収は300〜350万円

以前100人弱の方に答えていただいたブライダル業界のフリーランスを対象にしたアンケートでは、平均年収が300〜350万円でした。これは、ブライダル以外の業界のフリーランスの平均年収と大差のない数字です。また、20代のサラリーマンの平均年収と比べても差はほとんどありません。しかし、会社員の場合は労災保険、雇用保険、社会保険をはじめとした様々な福利厚生の恩恵があり、固定給なので安定しているという点、毎年の昇給がある点で年収以上に得をしている部分があります。

20代のサラリーマンの平均年収は346万円

DODAの2017年のデータでは、日本のサラリーマンで20代の平均年収は346万円です。内訳は男性の平均年収は365万円、女性の平均年収は319万円となっています。

30代のサラリーマンの平均年収は455万円

男性の平均年収は487万円、女性の平均年収は386万円になっています。20代と比べると約100万円アップしていますが、会社員としては十分な戦力になり、基本給も上がり賞与も含まれるので少し高い気もしますが、予想通りの金額かと思います。

40代のサラリーマンの平均年収は541万円

男性の平均年収は587万円、女性の平均年収は423万円で、さらに100万円近く伸びています。管理職になる人が多くなりますし、プレイヤーとしても実績、経験ともに豊かになる人が多いので比例して給料も上がります。

50代のサラリーマンの平均年収は661万円

男性の平均年収は707万円、女性の平均年収は445万円です。経営に携わるレベルになる方が高収入となり平均値をあげているところもあると思いますが、予想していたよりも高いという人はあまりいないかと思います。

フリーランスは会社員の給料の3倍の売上が必要!?

フリーランスは会社員の給料の3倍は必要ということは、よく言われることではあります。会社は社会保険、有給、賞与、各手当、雇用保険、労災保険以外にも人脈、設備、事務所、機材、ブランド、信用、情報、人的リソース、内部留保、ノウハウなど目に見えない資産がたくさんあります。しかしフリーランスは何もない状態からスタートしますし、例外はあるにせよ、基本的には個人では会社ほどの資産を築き上げることが難しいです。

ただ、果たして本当に3倍必要なのかは疑問が残るところです。数値化された明確な根拠があるわけではないので、あくまでも目標として捉えるくらいでもいいかもしれません。実際に先程の各年代の年収の3倍稼ぐのは現実的とは言えません。全く不可能ではないのですが、大多数が3倍の収入になるのは難しいと思います。

まとめ

ウェディングのフリーランスはいつまで働き続けることができるのか、新郎新婦との価値観の差や体力的な問題などを考えると50代までが限界かと思います。そして将来に不安を抱くことなく日常を過ごすためには、自分自身で稼げる能力を身につけることが重要で、そのためには知識やスキルを日々磨く必要があるということです。

言うは易く行うは難しで、実際に勉強したり行動したりしているフリーランスは少なく、何となく日々を過ごしている人が多いのが事実です。その他大勢と同じようにしていても、その他大勢と同じような結果にしかなりません。毎日の行動が未来を創っていきますので、やりたいことに対して熱量を上げてどんどん行動していきましょう!

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